声量をつけたい [ママイクコ]
2011/01/27(Thu) 14:43
<分かりやすいように、スレッドを分けた記事です 前編は https://goo.gl/Wg3o96 >
はじける一環として声量をつけたいなと思っています。
新人のうちは声量大事だよと言われたこともあり、以前は時間をかなりとってやっていたので毎日がらがらに枯れていましたが、今は一日おきに1時間発声(大きめの声量で)して、1時間ナレーションしているのですが(普通の声量で)、それでも枯れて、喉が痛くなります。そして5日間くらいは喉の痛みが長引きます。
休むと声量はつかないと思い、悪循環ですが痛みの引かないままやることもあります。
これはもともと喉が弱いせいなのか、病気なのか、それとも一般的に2時間はしないものなのかがわかりません。しかしもし3時間の収録だったら、1時間のナレーション練習でも喉は痛くなるので、つかいものにならないのではと不安です。
発声はボイストレーニング(歌を教えている)先生に以前習った息もれのない鼻の後ろに充てる発声法です。裏声に練習もしています。しかし、時間がたつにつれ、最初はできていた息もれのない発声も声帯の疲労とともに息がだんだん漏れて読んでいる途中にしんどくなってくるのがわかります。
ナレーションとは少しずれますがもしよければ教えてください。
Re: 声量をつけたい [松田佑貴]
1時間で喉が痛くなるというのは、発声が間違っている可能性があると思います。
習った事が家でもきちんと出来ているか、ボイス・トレーナーの先生に定期的にチェックしてもらうと良いのではないでしょうか。
また、発声練習するのは良い事だと思いますが、その目的を常に心がけて下さい。
ナレーターとして必要な声は、作品をよりよくする魅力的な声です。決して大きな声ではありません。酔っ払って大声で喋ってる人の声は魅力的でしょうか? もっと聞いていたいと思うでしょうか? そんな事ないですよね。意味なく大きい声はうるさいだけです(^_^;)
発声練習するときは、目的意識をしっかり持って下さい!
また、もし声帯に不安があるようでしたら、医師に相談すると良いと思います。
俳優・声優や歌手などが通う耳鼻咽喉科(音声外科)がありますので、もし喉の状態や病気など、不安があるようでしたら一度受診してみることをオススメします。
東商ビル診療所
http://www.tosho-clinic.com/
ぜひ、魅力的な声を目指してみてください(*^_^*)
Re: 声量をつけたい
こんにちは。畠山さとみです。後半の問題に関して、アドバイスになればと思い書き込みさせていただきます。よろしければご参考になさってください。
基本的にフィジカル的な問題は、実際にどんな状態なのか、どんな使い方をしているのかを診てみないと何とも言えないのですが…
声を使う仕事の人は、それだけで常に喉に多少の炎症を繰り返しています。
まして大きな声、はじける声というのは、さらに物理的に負担がかかります。
痛い時に無理して声を出すことは症状を悪化させますし、慢性的に続くと組織自体の変性もまねきかねません。
喉を傷める、声がひび割れる、回復が極端に遅いなどの問題を頻繁に繰り返すようなら、何か器質的な問題があるのかもしれません。
医療機関を受診して、問題があるなら治療を受けるとともに、ある程度状態が回復してからトレーニングを再開することが大切です。
これは声を使う人のボイスマネージメントの基本です。
という一般的なことを確認したうえで、
今回のご相談内容に関しては、一読しての印象としては、のどが弱い、病気と考える前に、使いすぎ、使い方の問題を疑ってみるのが先かと思います。
以下の3点について、私なりに感じたこと、思うところをまとめてみたいと思います。
①喉に負担の少ない発声で大切なこと
②回復力を高めるには
③その他
①については、
a…喉自体をつめない。
b…胸、肩、首などの筋肉を固めない。
鏡を見ながら次のことをチェックしてみてください。
・息を吸う時に、肩が上下し、胸が膨らむ。
・息を吸う時に、首の筋肉のスジがくっきり浮き出る。
・話すとき、ナレーションするときに、首がよく動く。
・ナレーションしていると、どんどん前のめりになって、首が前に出ていく。
・疲れてくると、盆の窪あたりが詰まってコリがひどくなる。
これらはすべて、胸、肩、首など上半身を固めているときのサインです。
大きな声にしようとすればするほど、その緊張は強くなり、発声も力んだり喉をつめたりしている印象が強く出てきます。
声は、身体の中では骨伝導ですから、共鳴させるべき胸郭や首、頭蓋部分を締めつけてしまうのはもったいないことですし、
身体自体も疲れます。
どうしてそうなってしまうのかというと、体軸の問題が一つあると思います。
重力に対してバランスの良い状態でいるかどうかということです。
仙骨(骨盤の真ん中の骨)が後ろ向きのまま、いわゆる猫背の格好のままでは、胸もお腹もしぼんで、腹筋も使えません。
首が前のめりで、重い頭を支えるために首、背中の筋肉ががんばる羽目になります。
横隔膜も十分に動けません。代わりに肋骨周りの筋肉や首の筋肉(息を吸う時にすじばる筋肉)が頑張るのです。
この状態で、腹式呼吸!腹から声出して!!といっても身体が効率よくそうできる状態ではないわけです。
そしてますます力んでしまいます。
一度、仙骨を立てて、下実上虚(下半身がどっしりしていて上半身が楽な状態)、腰の支えがある腹式呼吸を確認してみてください。
発声が、その状態としっかりリンクしているかどうかです。(ママイクコさんが、基本的な腹式呼吸ができているとの前提です)
身体の中で、その感覚と方向性がしっかりつかめていれば、あとはどんな姿勢でも大丈夫です。
aについては、喉が開いている状態を体感するために、太いストローでアーという音を出してみることをお勧めしています。
直径1.3センチぐらいのタピオカなどのデザート用のストロー(東急ハンズで売っています)を口に当て発声します。
声の出し方をいろいろ工夫してみると、くわえている唇がかゆくなるほど振動するポイントがあります。
その発声の時が喉が開いている時です。
これを実際の発声の参考にしてみてください。
多分、喉頭(声帯がある場所、喉仏と考えていいと思います)の位置がいつもより下がって、力みも少なくなっているのではないでしょうか?
このほか、レッスンでは、①に関しては、後頭骨と頸椎一番の間(盆の窪。正確にはもう少し上ですが)と
眉間にスペースを持つことなど、私自身が体験の中で有効だと思うことをいくつかお話していますが、
説明を要する部分が多すぎるので、ここでは割愛させていただきます。
師事している方がいらっしゃるなら、フィジカル的なことは、実際に状態を確認しながら修正していくのが一番だと思いますよ。
②については、①で触れたこともかなり影響してきます。
たとえば、横隔膜が慢性的に筋力低下している人は、酸素の取り込み量が少なく、組織が十分に滋養されないので治りが悪くなります。
呼吸は、健康の要です。
またすぐ喉が痛くなる方で、普段口呼吸になっている方は、これも気をつけた方がいいと思います。
口呼吸の方は、扁桃腺を傷めやすくなります。
扁桃腺は、免疫系の初動部隊です。外部からのウィルスや最近は、まず扁桃腺が対処します。
この扁桃腺がいつも炎症を起こしていたのでは、敵をやっつけなければならない時にかんじんの働きができません。
特に声をよく使う仕事の人は、それだけで口呼吸にならざるを得ないことも多くなりますので、普段から鼻呼吸に心がけましょう。
のどの痛みは、免疫系低下のサインです。
その他の喉の具体的なケアとしては、ご存知だと思いますが…
喉を冷やさない、刺激物を避ける(傷んだ喉に冷たいビールは自殺行為です。やっちゃいますけど…)
乾燥させない。(声帯は、筋肉の上を粘膜が取り囲んだものなので、保湿保温が大切です)
大きなせき払いはしないようにして、なるべく湿らせて自然に痰を排出させること。(咳払いで簡単に声帯を痛めることがあります)
甘いものを控える(唾液が粘ると痰がからみやすい。咳払いを誘発)などです。
あまり神経質にならずに、でも記憶の隅にとどめておいてください。
③その他のことですが…
大きな声が必要といっても、何デシベル以上必要という絶対的なものではありません。
ナレーションはトータルで伝わるものだと思います。
映像があり、音があり、言葉があって、
どんなにつたなくても、へたくそな喋りでも、ちっちゃな声でも伝わる表現、聴く人の心を震わせる表現はあります。
だからと言って基礎不要ということにはなりませんが、あれこれ悩みが多い時は、まず、いろんな表現を観て聴いてみることが必要ではないでしょうか。
単純に、あ、これ好き!これいい!と思った表現や番組に出会えた時、自分の表現も変わってきます。
実際のママイクコさんがどうなのかはわかりませんが、自分の表現に熱心なあまり回りが全然見えていない方もいらっしゃるような気がします。
最後に…
確かに、学びの場では、自分の問題にどんぴしゃりという回答はなかなかないと思います。
そのもどかしい部分を自分で埋めていくことが学びの本質で、醍醐味であると思います。
もどかしいと感じる部分があればあるほど、自分自身が明確になっていくことにつながります。
他の方の発想や経験を参考にしながらも、そうして得たものだからこそ自分仕様が出来上がっていくのだと思います。
お互いに頑張りましょう。