声のパンチ [あつこ]
2010/10/11(Mon) 19:46
私は、テレビのナレーションをやることを目標に、こつこつとナレーションの仕事をしています、あつこと申します。
先日、知り合いの方に「君には声にパンチがない。だから、誰でもいいような仕事しかこない。存在感をもって、選ばれるナレーターになるには、圧のある声を出していかないと」と言われました。
毎日、滑舌と発声は欠かさずやっているのですが、声のパンチというのはそれとはまた別の話なのでしょうか。
ボイストレーニングに行って先生に見ていただいても、「発声に問題はない。パンチとかは気にせず、あなたの地声を生かしていけばいい」と言われ、悩んでいます。
どうすれば圧のある声になるのか、アドバイスをいただけたら幸いです。
Re: 声のパンチ [大窓王]
あつこさんナレーションの虎へようこそ。
「圧のある声」の作り方については回答があるのでご参考下さい。
「存在感をもって、選ばれるナレーター」と「地声をいかしていく」ことについて、思いつくことを書いてみます。
「存在感」はナレーターに限らず表現するすべての人にとって、究極で永遠の課題です。そしてトップを目指す人は必死に考え続けていることです。現在の大御所のほとんどは存在感をもって選ばれ生き残ってきたナレーターといえます。
「存在感のある声」の一つとして「圧のある声」があります。
その他にも「共鳴の豊かさ」や「リズムの心地よさ」「心をつかむ表現力」といった要素があります。
それらすべてを持ち合わせることはありません。どれか一つでも抜きん出てれば充分です。もちろんそれぞれ、決してインスタントにできることではありません。究極で永遠の課題だからです。
次に「地声をいかしていく」ことについてです。
ナレーションの大切な要素として「説得力」があります。「説得力」のあるナレーションは「地声」での表現されたものです。ですからナレーションの基礎力として「地声」を活かした表現を掴んでいくことです。「地声」はその人が持っている本来のパワーを秘めたものです。それを伸びやかに使いこなしていければ、魅力的なナレーションになると思います。
「声のパンチ」と「地声をいかしていく」こと。これら二つは矛盾している訳ではありません。
「地声」を鍛えていくことで「パンチのある声」は作り上げていくことが出来るからです。
『声』はナレーターとしての最も大切な武器です。『声』をどうデザインしていくかは、ナレーターとしてどう生きていくのかという課題とつながっています。
本来持っている「地声」の力に、「凄みの迫力」「落ち着いた大人の色気」「爽やかな心地よさ」etcといった表現を乗せていくことで、「選ばれるナレーター」になっていくのではないでしょうか。
あつこさんが、魅力な声の存在感あるナレーターになれることを祈っています。
Re: 声のパンチ [謎の配達人]
あつこさん、ナレ虎へようこそ、書き込みありがとうございます。
さて、あつこさんにちゃんと仕事がきてて、さらにボイトレ先生がok出してるのであれば、発声に問題はないと想定できますから、パンチ先生が言いたいのは「”あなただから”の仕事をとって、次の段階に進化しよう」だろうと思います。
2方向から異なる意見が出ると、とまどう時もありますよね。
だらかこそ、というか、ここで「選択」を迫られるわけです。
発声論はあくまで発声のための論理です。売れるためやオンリーワンを目指すためとはほんの少し違います。
今のところナレーションのためだけのボイトレはまだ世にないと思いますが、ボクが見聞きした限りでは、歌でも演劇でも「いかに負担を少なくしながら、かつ本来体の持っている響きを最大まで出せるか」を主眼においているようです。
これに対してパンチ先生は「体に負担をかけようが、”あなたが何を選んだかこそが表現である”ので、無理することも含めてオンリーワンな表現を」とアーティスティックなことを目指しているんだと思います。声の話はあくまできっかけとして話したのではないかなぁと思います。
といってもボイトレ的な発声論であっても、体は本来一人一人違うので「本来」を上手に引き出せたら自動的にオンリーワンになるっちゃなるはずだし、でもオンリーワンなら即売れるのかっていうとそうでもないので、ここらへんが悩ましいですね(^_^;)
良い声を持っていても売れられなかった人をたくさん観てきました。逆にそれほどでもない声なのに売れている人もいます。
有名な歌手や、ベテランナレーター/声優の中にも声をわざと潰して喉を鍛えたり個性を表現する話はよく聴きますね。女性のとある超大御所も役作りで前夜アルコールで喉を痛めると聴いたことがあります。
逆に、発声論に忠実に従って、喉をとても大事にしている歌手の話もたくさんあります。
二つのパターンは、何を表現しているのでしょうか。
話は飛びますが、まだ30歳前後なのに、プロも驚くかなりの響き(圧力といってもいい)のあるロートーンをもつ、バリバリの小劇団系の方がいます。
20歳くらいの時に「とにかく、ウィスキーでうがいをしてたら声がよくなるぞ」と体育会系的に教わり、本人も体育会系的に納得して(^_^;)とにかく毎晩試したのだそうです。
特に他に発声訓練は何もしてないとのことですので、そのできあがった美声に講師陣一同びっくりいたしました。
さてあつこさんはどんなナレーターになりたいですか?
それは声に圧があればなれますか?
声に圧がなくともなれますか?
たくさんの選択肢があっても選択は一つしかできません。
昔バーズ校長のレッスンで、「存在感は”捨てる覚悟”」と聴いたことがあります。
「ウィスキーうがい」でも「完璧な腹式」でも、ビジョンに基づいてきちんと選びとったものであれば、なにかの存在感は溢れ出てくると思います。
Re: 声のパンチ [松田 佑貴]
2010/10/13
初めまして。松田佑貴です。
一般的にボイストレーニングでは主に「声帯に負担のかからない発声」「声の音域を広げる」など、基礎的な発声を練習します。
声帯に負担のかからない発声が、イコール存在感のある声(パンチのある声)ではありません。声をつぶしたハスキーな声が魅力的であったりする場合もあるので、「正しい発声=選ばれる声」かどうかは一概には言えないかと。
また、例えば肩(首)こりがあまりにもひどい場合は声が胸で響きにくく、低い声が出せないなど、物理的に発声練習だけでは解決できない問題もあります。
発声方法ですが、私なりのやり方を説明しますね。
TVで売れっ子ナレーターの声を録画して、何回もユニゾンで声をなぞってみます。
そのときに、その声の共鳴ポイントを探っていきます。
例えば胸で響いているのか? 頭で響いているのか? 口の中のどこで響いているのか? 喉の奥は開いているか? など、自分で発声ポイントを意識し、確認しながら声に出してみます。
このときの注意点は、必ず自分の声は録音して下さい。できればマイクを使った方が、より細かいチェックが出来るのでオススメです。
そしてスピーカーから自分の声を出して、同じ発声が出来ているか客観的に確認します。これを何回も何百回もやっていると、その人の共鳴ポイントがだいたい掴めてきます。
そうすると、売れっ子の発声の仕方などが分かってくるので、「選ばれるナレーター」の声の特徴が掴めてくるかと思います。
当たり前ですが、骨格や体型などが違うので同じ声にはなりませんし、モノマネではないので声を作る必要は全くないです。共鳴ポイントを探るのが狙いです。
あつこさん、がんばって下さいね(*^o^*)
Re: 声のパンチ [都さゆり]
2010/10/12
あつこさん、ナレ虎へようこそ!
圧のある声、パンチのある声・・・色々な言い方がありますが、これらを、「迫力がある、強い印象の声」と捉えてお答えしますね。
あつこさんのお声を聞いてないのでハッキリとは言えませんが、ナレーションのお仕事をされている事、ボイトレの先生からも発声に問題ないと言われている事を考え合わせ、いくつか思いついたことを書いてみます。
①声量が足りない
単純に、 声のボリュームが小さいのではないでしょうか。
マイクを使っても、声はしっかり前に出す事を意識してください。
基礎体力もやはり必要ですね。何か、無理の無い程度に有酸素運動を続けましょう。
②表現
「声のパンチ」というと、表現力も大きく関係してくるでしょう。
一般的にテレビのナレーションの場合、より大きな、インパクトのある表現が求められます。
文脈をよく読んで、強調すべき所、表情をつけるところを工夫してみてください。
③リズム
お経のように抑揚が無いと眠くなりますね。
(あ、お経も木魚や太鼓でリズムを取ることがありますね~、必ずしも眠くなるとは限らないか・・・)
そう、単調なリズムだと眠くなるんですね。
そのためにも、 メリハリ、緩急、をつけて、自分なりのリズムを作りましょう。
④姿勢
初歩的なことですが、姿勢にも気をつけましょう。意外に忘れがちです。
原稿に集中するあまり、前のめりになって、下を向く癖のある人がいます。
マイクに向かって、声を集中してください。
この中のどれかがお役に立てれば良いのですが。
あつこさんの、ご活躍をお祈りいたします。